「メディカルシェフ入門」第51回 カボチャの種

 

カボチャは15世紀末にコロンブスによってヨーロッパへ伝わり、様々な料理に用いられるようになりました。現在出回っているものは日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャに大別され、
それぞれの原産地はメキシコなど中南米辺りとする説が有力です。
 

旬は日本列島を北上します。沖縄から宮崎辺りは5月から収穫が始まり、北海道では8〜11月がピークとなります。夏に収穫されるのに冬至で食すイメージが強いのは、外皮が堅く、冬まで保存可能でビタミン類が失われないためです。
 

原種のカボチャは現在のように果肉部分が厚くなかったので、主に種を食用とし、外側の厚い皮の部分は種や果肉を取り除き、容器として利用していたと考えられています。果肉部分よりも種子の方が食用の歴史は長い、ということです。
 

ヨーロッパでは、カボチャの種子を泌尿器系トラブル( 残尿感、頻尿、失禁、前立腺肥大に伴う不快症状)の緩和を目的に民間薬として利用してきました。ドイツでは現在も、ペポカボチャの種が有効性のある薬用植物として評価されています。
 

東洋では漢方において「南(なんかんなん)瓜仁」と呼ばれ、乾燥した種子が生薬や薬膳に用いられています。条虫や回虫などの駆虫や低血圧の改善を目的に使われています。駆虫目的の摂取量の目安は、生のカボチャの種を30〜60g食べるとよい、と「民間方」に記載されています。糖尿病を改善したい場合にはカボチャの種60gを乾煎りしてから水で煮出し、その煮汁を毎日2回に分
けて飲みます。
 

普段、私たちが食べている西洋カボチャやニホンカボチャの種には硬い種皮があり、そのままでは食せません。種皮を剥くと、柔らかい部分はかなり小さいものになってしまいます。
 

ところが、ペポカボチャの種には硬い種皮がないので、種を取り出して乾燥させてから煎ると、そのまま美味しく食べることができます。1つのペポカボチャから110g(約200粒)の種が採れますが、水分を含むので、保存のために乾燥させると30gほどになり、大変希少です。そのため国産の種の生産はかなり少なく、現在市場に出廻っているカボチャの種のほとんどは中国産であり、輸入されたものです。有機栽培された国内産カボチャの種はコクと風味が濃厚でとても美味しいですが、輸入されたものや中国産のものを現地で購入して食べてみると、風味やコクが明らかに劣っているのがわかります。
 

また、市販されているものは塩などで味付けされている場合があるので、塩分過多に注意してください。
 

カボチャの種子にはタンパク質、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維、不飽和脂肪酸が含まれているため、アンチエイジングや生活習慣病の予防など様々な効果が期待できます。リグナン類には女性ホルモンのバランスを整えてくれる作用があるので、骨粗しょう症予防にも繋がります。

 

 

小林 薫音満/こばやしかおみ(愛称カノン)

リマ・クッキングスクール師範科主任講師、及びメディカルシェフ育成講座講師。久司学院レベルIV、昭和薬科大学卒。現在、星薬科大学大学院在籍。「明るく楽しいマクロビオティック」がモットー。著書「マクロビオティック 至福のレシピ」など多数。

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月刊マクロビオティック 2018年3月号(966号)より
 

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