「メディカルシェフ入門」第54回 ヒマワリの種


 
ヒマワリの種は、キク科ヒマワリ属のヒマワリの種子です。ヒマワリは「日回(ひ まわり)」、「日輪草(にちりんそう)」、「向日葵(ひゅうがあおい)」などと表記され、薬用として用いられる種子は「向日葵子(こ うじつきし)」と呼ばれています。
 
ヒマワリの栽培は、観賞用と種子を食用や油糧とする目的に大別されます。また、栽培種(ヘリアンサス・アンヌスL)は、アメリカ合衆国の南西部諸州が原産の数少ない作物種のひとつです。
 
ヒマワリは北アメリカ大陸の先住民インディアンによって栽培され、食用油の原料として用いられていました。16世紀にアメリカ大陸を発見したスペイン人によってヨーロッパに広まり、その後ロシアに伝わって、1860年までには油分目的の意図的な育種が始まり、以後、熱帯地方からカナダやロシアの北方生産地域まで、世界のほぼすべての地域に広がりました。
 
野生のヘリアンサス・アンヌスLやその近縁の原産は北アメリカですが、栽培種の中心地はロシアでした。それらがヨーロッパやアルゼンチン、北アフリカ、中国、オーストラリアに広がり、その土地土地で多様な品種が生まれました。多くの国では起源が新しい作物(米に比べると時間的にかなり陰性)なので、病気が持ち込まれることが心配され、それを防ぐための植物衛生基
準が重要とされています。
 
種子の最も重要な用途は多価不飽和リノール酸が豊富で栄養価が高い油( サンフラワーオイル)です。現在、ロシアで突然変異体から採れたオレイン酸( 単価不飽和)を最高87%含む新しいタイプの油も注目されています。また、東ヨーロッパや北アメリカなどでは、ヒマワリの種がスナックとして食べられています。アメリカ合衆国やスペイン、中国では、種子が大きく、油分が少ない糖菓タイプが開発・販売されています。
 
味にクセがなく様々な料理に活用できる種子は、殻を除いてそのまま食べられますし、軽く煎れば( あるいは軽く塩味をつけて)スナックになります。北アメリカのマクロビオティック料理
では、玄米と炊き込んだり、お粥や温サラダのトッピングにしたり、クッキーやパンに混ぜ込んだり、ドレッシングにしたりと色々な形で用いられています。
 
メディカル・シェフ育成講座の調理実習では、血流促進や腎臓・副腎機能高進を目的として種子を用いています。タンパク質、脂質、ビタミン類、葉酸、ミネラル類を豊富に含み、栄養価が高
く機能性食品としても優れています。特にビタミンEやリノール酸に認められる血行促進作用は、様々な症状に効果があると考えられます。また、イライラ軽減やリラックス効果などの精神安定作用があり、自律神経の乱れからくる身体の不快感の改善にも役立ちます。
 
ただし、アトピー性皮膚炎の体質を持っている場合は、食べ過ぎるとかゆみが出たり、炎症がひどくなることがあるので注意が必要です。健常な人でも胃に不快感を感じたり、頭痛を起こすことがあるので、日常の食材として用いる場合は摂取量に配慮しましょう。
 
補助食品を摂る感覚での摂取量は、1日にひとつまみ。ドレッシングやディップとして摂る場合は大さじ1程度にとどめておくのが無難です。
 
ヒマワリの種子の毒性は、報告がありません。花から種を採りたい時は、花首から切り落とし、風通しのよい日陰でポロポロと取り出せるようになるまで乾燥させます。その後、新聞紙やビニールシートの上に広げて2〜3日陽に当て、十分に乾燥させましょう。
 

 

小林 薫音満/こばやしかおみ(愛称カノン)
 
リマ・クッキングスクール師範科主任講師、及びメディカルシェフ育成講座講師。久司学院レベルIV、昭和薬科大学卒。現在、星薬科大学大学院在籍。「明るく楽しいマクロビオティック」がモットー。著書「マクロビオティック 至福のレシピ」など多数。
 
メディカル・シェフ育成講座はこちらへ

 

月刊マクロビオティック 2018年6月号(969号)より
 
マクロビオティックとその料理法に関するホットな情報、健康と美を創り、生命をはぐくむための食と、その知識のご紹介、などなど・・・。あなたの人生を豊かにする情報が毎号満載です。日本CI協会で行っている料理教室や講座などのお知らせもご案内しています。
 
(本体価格600円+税) 発行元:日本CI協会

 

「月刊マクロビオティック」ご購読はこちら