「メディカルシェフ入門」第55回 ダイズ


 
ダイズの原産地は東アジアで、日本にも自生しているツルマメが原種と考えられています。東アジアの複数の地域で野生ツルマメからの栽培化が進み、ごく最近の研究では中国や朝鮮半島、日本が起源地とされています。
 
中国では紀元前2700年頃から栽培され、神農(薬や作物の神様)五穀播種の儀の作物として用いられていたと「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」」に記述があります。日本では縄文時代中期より栽培され、この時期以降には野生種からの人為的な栽培( 種子の大型化)が行なわれていました( 諸説あり)。「古事記」や「日本書紀」に名前が記述されていることから、日本ではかなり古くから利用されていたと考えられます。
 
ダイズは、20世紀初めまでは東アジアに限られた主に食用の作物でした。ヨーロッパへは18世紀、アメリカには19世紀に伝わり、第二次世界大戦後、アメリカは世界最大の大豆生産国になりました。
 
現在、日本はダイズの大部分を輸入に頼っており、輸入量は中国、EUに次いで世界第3位です。国内産ダイズの主な生産地は北海道、宮城県、佐賀県、福岡県です。国内産ダイズは貴重な作物である上、マクロビオティックで用いる遺伝子組み換えでない・無農薬栽培されたものは極めてレアな食材です。輸入ダイズと比べて深い味わいでコクがあり、茹で汁などは驚くほど甘くて美味しいです。
 
ダイズにはタンパク質と脂質が豊富に含まれ、タンパク質を構成するアミノ酸は玄米と組み合わせることにより必須アミノ酸のすべてを満たします。糖質を多く含んでいるため、良質なものほど煮ると甘い味がします。
 
ダイズは完熟種子で、若芽はモヤシ、未成熟の種子がエダマメ( ダイズより約1ヵ月早く収穫)です。エダマメにはメチオニン( アルコールから肝臓や腎臓を保護する成分)の他、ダイズには含まれていないビタミンCが多く含まれており、ダイズ同様タンパク質が豊富です。
 
食用としてのダイズは、下表の通り様々な形に加工されています。
 

 
現在、世界的に健康志向の傾向があります。食するとコレステロールが必ず多く付随してくる動物性食品に比べ、ダイズ食品はその心配がありません。近年、大豆イソフラボン類の健康効果が注目され、特に閉経前後の女性の骨粗しょう症予防や更年期障害の軽減、循環器系の健康効果に関してはよく研究されています。
 

 

小林 薫音満/こばやしかおみ(愛称カノン)
 
リマ・クッキングスクール師範科主任講師、及びメディカルシェフ育成講座講師。久司学院レベルIV、昭和薬科大学卒。現在、星薬科大学大学院在籍。「明るく楽しいマクロビオティック」がモットー。著書「マクロビオティック 至福のレシピ」など多数。
 
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