「My Macrobiotic Life」『本物』をいただく大切さ

 

クッキングスクール リマ マスターコース修了生  岡田 朋子

 
 
摂食障害
 

心と身体を整えるファームリトリート

心と身体を整えるファームリトリート

「誰かこの手を止めて欲しい…」。 私のこれまでの人生で、何度そう願ったことか。
 
私は中学生の時、厳しい部活動がきっかけで摂食障害になりました。 体重が増えると、顧問の先生に叱られるので、山盛りの海藻や衣をはがした天ぷらを食べるなど、食に対しての感覚が歪んでいきました。そして次第に「食べては吐いてリセットする」ことを覚えてしまったのです。
 
今思い返すと、自分はとても真面 目な性格でした。学級委員や生徒 会役員を務め、先生の指示にはよく従い、「絵にかいたような優等生タイプ」だったと思います。その頃の 自分には「こうすべきだ」「こうあらねばならない」という無数のジャッジメントがあって、「太ってはいけない」 のに、太ってしまう自分を許せなかったのだと思います。
 
最初はほんの軽い気持ちでしたが、 大学生になると食べては吐くことが 日常化し、朝起きた瞬間から夜中になるまで、食べては吐くことを繰り返していました。常に胃には疲労感 があり、胃薬と下剤を日常的に服用する日々です。食べたくないのに、 吐きたくないのに、その手を止められない自分に対する罪悪感が常にありました。「自分は最低だ!」と鏡を見ては泣いていた頃を思い出します。

 
 
食への意識の変化

 

マクロビオティックの基本食

マクロビオティックの基本食

20 代になって、信頼できる友人に自分が過食症であることを打ち明けることができ、徐々に症状は改善していきました。「自分が摂食障害になったのには、意味がある。私はここから人生に必要な学びを得ることが出来る」。そう思えるようになったことはとても大きな転機でした。20 代後半からの約 5 年間は、全く過食嘔吐の症状が出ない時期で、「自分は過食症を克服した」と思っていたほどです。
 
しかし、 32 歳の時にプライベートで辛い出来事が続き、過食嘔吐はいとも簡単に私のもとへ戻ってきてしまいました。「あぁ、本当に克服できていたわけではなかったのだ。今度こそ、もっと深く自分と向き合い、卒業しなければ…」。そんな思いを 抱えながら、門を叩いたのがクッキングスクール リマでした。
 
少し変な話をすると、過食嘔吐する時の食べ物は「すぐに食べられて、吐きやすいもの」でした。うすると自動的にジャンクフードやスナック類になります。全くエネルギーの入っていない食べ物に、心も身体も満たされず渇望感が湧くのは当然のことですよね。
 
ベーシックⅠコースで初めて玄米の炊き方を教えてもらった時、「土鍋で 1 時間半もかかるの?」と驚いたことを覚えています。それから少しずつ家にある調味料を「本物の」調味料に置き換え「本物の」食材を選ぶようになりました。
 
特に朝一番に口にするものは、自分へのラブレターだと思い、玄米と味噌汁をしっかりといただくようになりました。「さぁ、お味噌さん、私の大腸まで届いてね。」と願いながら。そんな生活が半年、1年と経つうちに以前は美味しいと思っていたジャンクな食べ物が全く美味しく感じなくなりました。自分の身体の細胞が本物の食べ物を覚えて変化したのです! そして、心にも大きな変化がありました。以前は喜怒哀楽の大きな波があったものが穏やかになり、自分の中にしっかりとした軸が育つような感覚がありました。玄米が炊けるまでの1時間半を、幸せな気持ちで待つことができる自分がとても誇らしかったです。
 
そして、リマに通い始めてから本誌に載っていた Y u k i 先生のチネイザンのページが目に留まりました。 陰陽五行思想に基づき、各臓器には様々な感情が宿っていて、腹部をほぐしていくことによって、それらの感情を解放させていくという考え方 にとても共感しました。それまで自分は、普通の人の何十倍も内臓を酷使してきたので、「私の内臓はさぞ私に対する文句を溜め込んでいるだろう!」と思い、それを癒してあげたいと考えたのです。そこから日本チネイザン協会のプラクティショナー養成講座へ通いはじめ、現在は認定プラクティショナーとして活動しています。
 
 
周囲の人を幸せに

 

「ぴたらファーム」で山田いずみさんと

「ぴたらファーム」で山田いずみさんと

今年に入り、ついに「私にはもう過食も嘔吐も必要ない」と思える日がやってきました。頭ではなく、全身でそれを理解できた実感があり、完全な卒業宣言をしました。過去には 死ぬほど辛いと思ったこともありましたが、摂食障害があったからこそ マクロビオティックとチネイザンに出会うことができました。今は、これまでの全ての経験に感謝しています。
 
これからは、摂食障害に悩む人のために自分にできるサポートをしていきたいと思い、過食症回復応援プログラムなどの提案を始めています。
 
また、リマでマスターコースまで共に通った山田いずみさんと、山梨県北杜市にあるオーガニックファーム「ぴたらファーム」にて、自然の中で心と身体を整えるファームリトリートも定期開催させていただく流れとなりました。今後の私の人生は、 今までの人生経験を糧として、周りの人を幸せにすることに捧げていきたいと思います。
 
岡田 朋子/ おかだ ともこ
クッキングスクール リマ マスターコース修了 (2018年夏期試作会 優秀賞受賞) 。摂食障害がきっかけで マクロビオティックとチネイザンに出 会う。現在はチネイザンの施術を行 いながら、 摂食障害の相談も受ける。

チネイザン(氣内臓セラピー) citta
https://www.citta-cnt.com/ citta.tomoko@gmail.com
 
 

月刊マクロビオティック 2019年1月号(976号)より
 
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