「My Macrobiotic Life」食べ物を通して里山の素晴しさを伝えていく


 

 マスターコース修了生 田島 幸子

 
 

花粉症があっという間に治った
 

私は千葉県北東部の旭市生まれ。実家は花の専業農家で、家の周りは田んぼや畑に囲まれた自然豊かな環境の中で育ちました。しかし、子どもの頃から冬場になると風邪を引きやすく、大人になってからはそれに加え花粉症に悩まされるようになりました。そんな時に何気なく開いた雑誌に千葉県内で農的な暮らしをしながらマクロビオティックのカフェを経営し、小さなコミュニティを作っている場所があることを知りました。思い立ってすぐに出かけ、そのカフェで食事をいただいたのが約15年前。それが私とマクロビオティックとの初めての出会いでした。
 
早速家でも本を見ながら実践。玄米、味噌汁、野菜中心の食事にしただけで、1週間も経たないうちに花粉症の症状が治まり、朝の目覚めも良くなり、風邪も引きにくくなりました。

 
 

野菜ソムリエを通じた様々な農家さんとの出会い
 
高校卒業後は、興味があった農業関係の専門学校へ進学し、生まれ育った旭市で市職員として働き、市の基幹産業である農業振興に関わる部署に配属されました。私が市役所に就職した約
17年前から今現在を比較すると、米の生産調整の廃止、担い手の高齢化、原発による風評被害など様々な政策の転換や社会の移り変わりがありました。
 
様々な農家の方と出会う中、農家の方が丹精込めて作ったお米や野菜の素晴しさを伝えるお手伝いがしたくて、野菜ソムリエの資格を取得。友人が主宰するオーガニックマーケットの手伝いやレシピの提供、農家さんを取材した情報をSNSで発信しながら、自分のやりたいことを模索する日々を過ごしていました。
 
 

木こりの夫とヤギ
 
夫とは今年で結婚3年目。広い庭のある一軒家にヤギと一緒に暮らし、お米、味噌、醤油は自給しています。夫は里山の整備をするNPOを運営しており、里山の素晴しさを伝えるため、最近森林インストラクターの資格を取得しました。
 
私も夫の影響を受けて里山にある豊富な資源を生かし何か出来ないか考えるようになりました。都会はお金を払って買わなければ食べ物が手に入りませんが、里山は目を向ければ季節ごとに野草や山菜が自然と自生し、どの家にも梅や柚子などの食べられる庭木があります。
 
ちなみに我が家の梅干作りは夫の仕事。夫の木こりの師匠が所有する100本の梅林は無農薬で長年梅を育てており、梅の収穫時期には何十㎏もの梅を収穫させてもらい、梅干し、梅ジャム、梅味噌、梅酵素などを夫婦で作り、梅仕事で大忙し。梅の時期は家中に梅の香りが漂い、本当にそれだけで幸せな気持ちになります。
 

 
 

「竹チップ蓮魂)れんこん」との出会い
 

お節には毎年金坂さんの竹チップ蓮魂を使っています

夫の友人の金坂さんが「魂」を込めて無農薬で作る蓮根「竹チップ蓮魂」は、我が家でのご馳走の日には必ず食卓に上がります。夫が竹をチップに加工し、金坂さんが竹チップを撒いて育てた「竹チップ蓮魂」は昨年登録商標を取得しました。竹チップを蓮田に撒くと乳酸菌等の働きで土壌改良の効果があり、微生物が増え、食味が向上するそうです。
 
私たち消費者は、お金を出せばいとも簡単にオーガニックの農産物が手に入ります。しかし、その裏では農家さんたちがどれだけの努力を費やしているかを忘れてはならないと思います。
 
例えばザリガニやカメなど、金坂さんの無農薬の蓮田には多種多様な生き物がいます。しかし、ザリガニは蓮根の茎を切ってしまうなど蓮根農家にとっては厄介者のひとつ。また、蓮根の需要が高まる12月には夜中にヘッドライトをつけながら極寒の蓮田の中で収穫作業をし出荷に追われる日もあるそうです。
 
農家の方のより近くにいる消費者だからこそ伝えたいことがたくさんあります。「私のミッションは、食と農を繋ぎ、食べ物を通して里山の素晴しさを伝えていくことだ」と夫や金坂さんとの出会いでその想いを強くしていきました。

 
 

裏山のある古民家との出会い
 

夫の両親と古民家の前で

食を通して里山の素晴しさを伝えていくためのひとつのツールとして、長年続けてきたマクロビオティックを生かそうと考えました。約2年前にクッキングスクール リマに通い始め、昨年マスターコースを修了しました。リマではクラスの友人にも恵まれ、教室の外でも我が家の米づくりや野菜の収穫体験に招き、楽しい時間を過ごすことができました。
 
そして今、夫と私は一つの夢に向かって進んでいます。それが裏山のある古民家を使って「里山の恵みを伝えるカフェ」を作ることです。古民家は縁あって夫の両親が知り合いのつてを通じて現在は借りているもので、これから改修をして自由に使わせていただけることになっています。
 
夫が切り出した薪を使った薪ストーブ、義父の作る無農薬の野菜や里山に自然と自生する野草や山菜を使い、里山の恵みを存分に味わっていただきたい。古民家のカフェのオープンは何年先になるか分かりませんが、子どもから大人まで様々な人が集い、心も身体もお腹いっぱいになっていただける場所を作りたい。それが夫と私が描いている夢です。
 
田島 幸子/たじま さちこ
クッキングスクール リマ マスターコース修了(2018年秋期試作会優秀賞受賞)。アレルギーをきっかけにマクロビオティックと出会う。市役所勤務17年目。米粉担当として米粉料理教室等企画。自宅で米、味噌、醤油を自給し、持続可能な暮らしを模索中。
「今日の木こり食堂」ブログ:https://kikori-kitchen.blogspot.com/
 

月刊マクロビオティック 2019年5月号(980号)より
 
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(本体価格600円+税) 発行元:日本CI協会

 

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