「My Macrobiotic Life」娘のアトピーを乗り越えて

 

マスターコース修了生 坂野 ちさと

 
 
娘のアトピーと自己流の食事法
 
娘が生まれて2〜3日後、体に小さな赤いポツポツが出てきました。出産に備えて読んでいた自然育児の山西みな子先生の本を参考にしながら、良い母乳を出すために産院で出されていた食事の中から卵や肉などを残し、入院中でもできることから娘に自己流の手当てを始めました。
 
しかし、娘のアトピーは日に日に悪化していきました。生後2週間頃には頬のあたりに赤いジクジクした湿疹が出てきました。皮膚科にも何軒か連れて行きましたがステロイドの塗り薬が処方されるのみで、生活面や食事などの指導はありませんでした。アトピー関連の本を手あたり次第に読んでいるうちに、反応を起こす食品( 卵・牛乳・小麦・大豆など)を除去する食事療法を知りました。早速実践してみたところ、娘の湿疹がみるみる消えていきました。「この子のためなら…」と、反応する食品摂取をやめ、体を温めるための温泉療法も始めました。
 
若かった私は娘のアトピーは自分のせいだと思い込んでいました。独身時代にタバコを吸ったりミニスカートをはいて足を冷やしたり、乳製品が好きでたくさん食べたり…。心の底から後悔していたので、娘のために母の私が食事を変えることくらい何でもなかったのです。
 
除去食を続けていたところ、お米にも反応するようになりました。そこで主食を雑穀のうるちきび・うるちあわ・ひえの順番で摂ることにしました。灰あく汁の強い野菜も食べられなくなり、除去食を始めてから半年後には大根、レタス、白菜くらいしか口にしなくなりました。
 
その頃から娘のアトピーが徐々にぶり返してきました。西洋医学に頼ろうか…と一瞬悩みましたが、副作用が心配なので薬には頼りたくありませんでした。本当に行き詰まりました。夜な夜な痒みで泣く娘を抱きながら、1時間おきの途切れ途切れの睡眠。私の精神状態もボロボロになりました。「私が娘をアトピーにしてしまった。どうにかして治してあげたい。どうしたら良いの?」という思いが頭の中でグルグル回り、毎晩泣いていたのを覚えています。
 
自己流の極端な食事法で私は痩せていき、めまいで動けなくなって救急車で運ばれたこともありました。「これではダメだ。何かが間違っている」と思いながらどうすることもできず、ただただ時間だけが過ぎていきました。
 

併設しているカフェの日替わりランチ

 
 
原因を知るきっかけとなった講演と受診食
 
そんな頃、右脳教育で有名な七田眞先生の講演が長野であると聞き参加しました。そのつながりから自然治癒力を上げて病気を治すという丹羽耕三( 旧名: 靱負 )医学博士の治療法に巡り合い、受診することにしました。
 
先生は私たち親子を見るなり「栄養失調だな」と言い、「栄養失調でこんな風に湿疹が出るの。たんぱく質が足りてないと新しい皮膚ができないんだよ。明日から卵を1日1個食べさせてやりなさい。2週間は毎日食べてくださいね。」
 
「えっ! アレルギーなのに卵を食べても大丈夫なんですか?」
 
「あのね、お母さん。たんぱく質が不足すると脳に障害が起こることもあるんだよ。アトピーは死なない病気だけど脳は一生を左右するでしょ?卵は1個50円以上する良いものを選んでね。それなら大丈夫だから。安い卵は抗生物質を餌に混ぜて1日何回も生ませているから鳥もストレスだらけ。だからダメね」と教えていただきました。
 
私はその言葉を聞き、もう少しで娘の一生をダメにするところだったという想いと、真摯に向き合ってくれた先生の優しさに触れて声を上げて泣いてしまいました。
 
他にも、アトピーは日本の環境の悪化とともに増えてきたこと、遺伝よりも環境に大きな原因があることも教えてくださいました。同じ頃、自然食の雑誌に「食品そのものだけでなく、食品に使われた農薬や化学肥料、食品添加物に反応してアレルギーが出るケースが多々ある」と書かれていたので娘にも当てはまるかもしれないと思い、お米を無農薬米に変えてみたところ、農薬などの化学物質が原因だったことがわかり、お米が食べられるようになりました。
 
先生は「食、環境、精神のどれが欠けても真の健康にはなれない」とおっしゃっていました。この言葉はマクロビオティックにも通じるものだと切に感じています。
 

無農薬・無化学肥料の野菜を販売しています。

 
 
自然食品店の開業と本格的な学び
 
私の死に物狂いの模索は、すべて娘がアトピーで生まれてきてくれたおかげでした。娘が小学生になった年、「私の経験と知恵が子どものアトピーで悩んでいる親御さんや、痒がる子どもを抱えながら夜中に泣いているお母さんのお役に立てたら…」という想いから自然食のお店を始めることにしました。
 
お客様からの質問にお答えしていくうちに、マクロビオティックについての知識が乏しいこと、自然食とはいえ自己流の食事法だったことからクッキングスクール リマで本格的にマクロビオティックを学ぶことにしました。約2年半かかりましたが無事にマスターコースまで修了することができました。これからも食への知識を深め、それらを皆さんと共有し、シェアしていきたいと思っています。
 

アトピーだった娘(中央)とスタッフ(右)と一緒に。娘の肌は今はツルツルです。

 

坂野 ちさと/さかの ちさと
 
マスターコース修了(2019年4月期)。自身の経験からアトピーの子どもを育てる母親の手助けをしたいという想いで自然食品店「アトピー母の会ははごころ」をオープン。
ははごころHP
https://ja-jp.facebook.com/hahagokoro.nagano
 

月刊マクロビオティック2019年11月号
月刊マクロビオティック 2019年11月号(986号)より
 
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