「My Macrobiotic Life」マクロビオティック的に生きる


 

マスターコース受講中 小岩井 ノーラ

 
 
キッチンから世界に変化を
 
10代の頃、私は初めてマクロビオティックに出会いました。兄と結婚した女性が私たちの新しい家族になったことがきっかけでした。彼女は輝くような笑顔で手が温かく、素晴らしい大地の香りがしました。その香りはチコリコーヒー、カモミールティ、ゴマ油、練りゴマ、豆腐、発芽野菜、大豆や様々な豆類のようでした。当時、これらの食材は私にとって見慣れないものでしたが、数十年経った今ではキッチンにある日常的なアイテムになっています。
 
義姉は1970年代の真のベジタリアン・ヒッピーで、看護師になる勉強をしていました。もちろん食べていくためでしたが、一方で健康的なライフスタイルを実践していました。レイキ( 霊気)セラピストだった彼女は体を癒す方法を知っていました。彼女の家の香りは、45年たった今でも私の心に根づいています。
 
彼女は私に久司道夫先生の著書「マクロビオティック法」をくれましたが、実際に私がその本を開くことになったのは今から13年前、ガンの診断を受けた時です。ガンを患ったのは、環境の要因が大きかったのではないかと思った時に、「あなたはあなたが食べるものでできている」という言葉に強く共感しました。
 
私は食事を変えることにしました。キッチンの白い食べ物をできるだけ茶色に変え、より多くの緑の野菜と健康的な食品を食べ、定期的に運動しました。それでも、この時はマクロビオティックを本格的に勉強しようとは思っていませんでした。大きなきっかけは、2人の成人した子どもたちが、共に治療法のない慢性疾患と診断されたことでした。
 
母親として、健康な身体を与えてあげられなかったことに私は罪悪感を感じていました。子どもの病気は私のせいではないか? と、改めて環境とのつながりの重要性を悟ったのです。世界の政治的な状況や気候などは、どんどん暗く憂鬱な方向に向かっています。だからこそ、私は私の世界に変化を起こしたかったのです。世界のほんの小さな一角、そう、私の家のキッチンから…。
 


岡田先生の授業の復習メニュー

 
 
学び始めて
 
クッキングスクール リマについては前から聞いたことがありました。日本語で行われる授業についていけるか不安だったのですが、日本人の夫が「やってみればいいじゃない」と後押ししてくれました。初日は緊張しましたが、皆さん温かく迎えてくれました。
 
こうして私のマクロビオティック生活が始まりました。リマに通う生徒さんたちには、それぞれ学ぶ理由がありました。クラスのレベルが上がるにつれて、私はクラスメイトの興味深いライフストーリーをすべて聞きたくなりました。
 
今まで受けた授業の中で、ベーシックⅠ・Ⅱが最も難しく感じました。新しい食品の名前、野菜を切る様々な方法、陰陽の哲学を学ばなくてはならなかったからです。
 
マクロビオティック生活を続けていくうち、自分の体が軽くなるのを感じました。そして、自分が料理した食べ物に改めて感謝するようになりました。

 
 
ヒメナと出会って
 
マクロビオティックは、その哲学を通じて素晴らしい人とのつながりも生んでくれます。マスターコース受講中にアルゼンチンから来日中のヒメナさんを紹介していただきました。彼女は桜沢先生の弟子に学び、アルゼンチンでマクロビオティックのレッスンをしています。農場を持ち、子どもたちと一緒に梅干し用の梅の木やカボチャなどを育てています。
 
彼女が授業中に先生に尋ねたのは「どちらの成分がより陰(または陽)ですか?」といった哲学に関わるものでした。私はむしろ、課題となっているレシピの作り方を書き写すのに必死なのですが、ヒメナさんにとってはレシピを構成する陰陽の原則を理解するほうが重要な様子でした。
 
すっかり打ち解けた彼女を自宅に招き、一緒に料理をした時、彼女から「毎日の料理にもっと豆を取り入れるといいよ!」と勧められました。「手間がかかるから大豆ベースのタンパク質を使うことが多い」と言うと、圧力鍋で一時間もかからずに豆を調理する方法をいくつか教えてくれました。お陰で私は最近食事に多くの豆を取り入れています。
 
彼女は私に心の底から微笑むことの大切さも教えてくれました。自分では出来ているように思っていましたが、そうではなかったのです。今は頭を高く上げ、胸を張り、心の底から微笑むようにしています。
 


さようならヒメナ! また会うまで!

 
 

深くて広いマクロビオティック
 
自然食品を調理して食べるには時間がかかります。野菜を切り、スープを作り、玄米を炊く。時間をかけて調理をしたら感謝の気持ちを込め、少なくとも一口50回噛んで食べる必要があります。私はマクロビオティックの考え方をライフスタイルや家族の好き嫌いに自然に取り入れることで、健康を追求する家族の暮らし方へとつながりました。ヒメナさんは私に「マクロビオティックの道は広くて奥が深い、私たちが深く追及するほど私たちの前に開く道が広くなる」と言いました。これがリマで学んだマクロビオティックが私に与えてくれた経験です。
 
この記事を書いている今、新型コロナウイルスの影響で授業が休講になっています。先の見通せない中、私はこれまで学んだことを見直し、未来の展望を考えています。
 
私の夢は、アメリカ以外の国でマクロビオティックを勉強することです。年齢的に勇気がいることですが、もっと深くマクロビオティックを学ぶには次のステップに踏み出す必要があると感じています。リマで学びながら、マクロビオティック的に生きる道を探し続けていきたいと思います。

 

小岩井 ノーラ/こいわい のーら
 
クッキングスクールリマ マスターコース受講中。1990年より日本で英語教師を務める。趣味は散歩、ヨガ、ガーデニング。
 

月刊マクロビオティック 2020年5月号(992号)より
 
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(本体価格600円+税) 発行元:日本CI協会

 

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