「My Macrobiotic Life」マクロビオティクが生きて行く目標に


 

クッキングスクール リマ 認定インストラクター 渡邉 てる子

 
 
息子のアレルギーから教わった食の大切さ
 
私は20代後半に年子で2人の子どもに恵まれましたが、下の子は生まれて間もなくアトピー性皮膚炎だと医師から告げられました。聞いたことのない病名だったので必死で調べましたが原因が分からず、これといった治療方法もなく、痒みを止めるためのステロイド剤の入った軟膏を塗ることぐらいしかできず、途方に暮れていました。
 
アレルギー検査をしたところ、家族全員がアレルギー体質だと分かり、体質改善を目指して衣・食・住の見直しをしました。できるだけナチュラルなものを身につけ、極力添加物の入っていない食べ物を食べ続けていればアレルギー症状が落ち着くと思い、本を見ながら手探りで色々なことを試した結果、いつの間にか息子がよく眠るようになり、徐々に体質が改善されていきました。これを機に、私は料理に興味を持ち始めたのでした。
 
 
宇宙の秩序との出会い
 
ある公共施設の催事で、初めてマクロビオティックの講座を受講しました。その後、桜沢如一先生の本と出会い、マクロビオティックをもっと知りたくなり、講師の方にリマの料理教室を紹介してもらいました。
 
当時の初級( 現ベーシックⅠコース)へ申し込み、早速受講。野菜の洗い方や切り方、質素ながら素材を生かす調理法を丁寧に教えていただき、感謝する気持ちやよく噛んで食べること、宇宙の秩序を学びました。迷わずマスターコースまで進み、その後も望診法やインストラクター養成講座を受講。今は助手見習いとして学ばせてもらっています。まだまだ未熟ですが、ご指導いただいた講師の方々、先輩や同期からアドバイスをいただきながら、日々勉強に励んでいます。

 
 
食の学びから生活スタイル・考え方が変わった
 
リマで学んだことを自宅で実践していくうち、土鍋や圧力鍋で炊いた玄米を家族が美味しいと喜んで食べてくれるようになりました。主人からは「お弁当に玄米を入れて欲しい」と頼まれて、我が家から白米がなくなりました。
 
家族も体調がよく、私のイライラもなくなり、「マクロビオティックはすごい!」と実感しました。マクロビオティックを続けるにはさらなる知識が必要だと感じ、野菜ソムリエの資格を取得。マクロビオティックを学んでわかった小麦粉不耐症や小麦粉アレルギーの人たちの力になりたい気持ちで米粉インストラクターの資格も取得しました。
 
幼い頃、親が麹を作り、麹から味噌・醤油・甘酒、納豆部屋で納豆を作っていたことを思い出しました。私は麹を作る部屋でよく寝ていたそうです。懐かしい麹を手作りしてみたいと思って麹インストラクターの資格も取得し、今は麹ライフを楽しんでいます。
 
さらに、体に負担の少ないお菓子作り、グルテンフリーのビューティースイーツも学んでいます。人との出会いを大切にすることも、大きな財産になっています。
 


マクロビオティックの基本をアレンジした里芋の煮物

 
 
マクロビオティックを伝えていくには
 
一人暮らしをしていた娘が病院で自立神経失調症と診断され、気がついた時にはまっすぐ歩くこともできず、まるで別人のようになっていました。職場の人間関係で悩み苦しみながら仕事に明け暮れていたようです。娘も自分がそこまで追い込まれていることに気づかないうちに、眠ることも食べることもできない体になっていました。
 
私はすぐに退職させようとしましたが、娘は「社会人だから引き継ぎをしてから辞める」と言い残したまま、命を落としてしまいました。主人と私は娘を助けてあげられなかった自分たちを責めて苦しみ、一緒に暮らせないところまで気持ちが荒んでしまいました。
 
娘の遺品を整理していた時、桜沢先生の著書「魔法のメガネ」を見つけました。物の見方、考え方が目にとまり、そのうち「ゼン・マクロビオテック」に書かれていた10日間で人生を変える7号食の秘密を思い出して主人と相談して試してみることにしました。始めて15日ほど経った頃、生きる力が湧きはじめ、前向きな気持ちになってきました。お互いに責める気持ちもなくなり、食の力のすごさを改めて体験しました。
 
その後、娘の食生活が気になって調べたところ、ほとんど一人で食事をしていたようでした。私の作った玄米食を常備食にしてはいましたが、コンビニ弁当やファストフード、手軽なインスタント食品も食べていたことが分かりました。
 
娘の異常事態を見逃していたことを知り、悔やみ、自分を責めて毎日泣きながら娘の亡骸を抱えて謝りました。眠れなくなり、頭がボーとしてフラフラする毎日…。この時期、リマで望診法の講座を受講していたので、私は心の病だと自覚しました。
 
近くの漢方医を訪ねて望診をしてもらい、漢方の力を借りることにしました。7号食と漢方薬を併用し始めて20日ほど経った頃から眠れるようになり、考え方も前向きになってきました。二度も食に救われたことに感謝しました。
 
私の経験を生かし、心の病を持つ人たちのためにリマで習ったことを伝えていけたら…と思っていた折、突然の出会いがあり、心の病の人たちの就労支援をしている施設からマクロビオティックの昼食を作って欲しいと頼まれ、週2日昼食を作りに行くことにしました。
 
初めて施設に行った日は、私と目を合わせる人はおらず、全員が下ばかり向いていました。「これからどうなるのだろう…」という不安もありましたが、「やってみるしかない!真心込めて作ったご飯を食べてもらえればそれでいい」と、毎週通い続けました。3ヵ月が過ぎた頃には皆の顔が前を向くようになり、仲間と話したり、私が冗談を言うと笑うようになってきました。マクロビオティックの力を再認識するとともに、施設の人たちから日々学ばせてもらっていることに感謝しています。
 
これを私の生きて行く目標とし、これからも学び続け、自分磨きをしながら世の中にマクロビオティックを伝えていきたいと思っています。

 


ある日のランチ(車麩のカツ、土鍋で炊いた玄米、味噌汁)

 

 

渡邉 てる子/わたなべ てるこ
 
さいたま市在住。クッキングスクール リマ認定インストラクターの他、野菜ソムリエ・米粉マイスター・麹マスターなどの資格を持つ。さいたま市北区食生活改善推進員として食に関するボランティアを行う傍ら、就労継続支援B型事業所での昼食作りや食事指導なども行う。趣味は温泉巡り、手芸、水泳。
 

月刊マクロビオティック 2020年10月号(997号)より
 
マクロビオティックとその料理法に関するホットな情報、健康と美を創り、生命をはぐくむための食と、その知識のご紹介、などなど・・・。あなたの人生を豊かにする情報が毎号満載です。日本CI協会で行っている料理教室や講座などのお知らせもご案内しています。
 
(本体価格600円+税) 発行元:日本CI協会

 

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