「My Macrobiotic Life」More Better の積重ね


 

クッキングスクール リマ マスターコース修了
横山 美佳

 
 
外食生活と慢性疲労の日々
 
私がリマと出会ったきっかけは、伊豆の断食道場でした。
 
当時は働きづめの毎日で、昼夜・週末問わずの仕事三昧。日付けが変わってから帰宅することも多かったです。休みになると、ミノムシのように布団にくるまって一日中休眠状態。自炊はおろか、食事はほぼ外食で、接待会食も深夜までという暴飲暴食を繰り返した結果、体は慢性疲労に陥り、不定愁訴だらけになりました。当然ですね。
 
このままではいかん! と自分にショック療法を課す覚悟で断食道場へ赴いたところ、マクロビオティックや料理教室の資料がありました。以前から桜沢如一さんという人物に興味を持っていたこと、そして体質改善と自炊不足を解消するためにスクールへ通うことを決意しました。
 
 
豊かさを味わう
 
料理教室に通い始めた頃は、お料理の見た目や量に戸惑いを覚えましたが、口に含んだ時の味わいと言ったら! 美味しいだけでは収まりきらない、豊かさを感じました。外食続きで麻痺していた感覚が、みるみる目覚めていくようでした。「この食事で健やかさを取り戻したい」。レッスンを重ねるごと想いが強くなりました。
 
私にとってリマでの調理の時間は特別でした。普段は電話や会議、書類やモニターを見つめながら機械的な処理に追われ、視覚や聴覚ばかりを酷使した生活。
 
一方、リマではフルに五感を刺激されるのです。人参の蒸し煮する際に土鍋から立ち上がる臭いの変わる様、葛を練るときのヘラの感触など、生命のある食材に触れるたび、その扱い方を学んでいくにつれて、鳴りを潜めていた感覚が蘇ってくる手ごたえを感じました。舌が楽しむものではなく、体が喜ぶものを自然に求めるようになっていきました。外食がメインだった私に訪れた嬉しい変化でした。
 
触発されたのはこれだけではありません。講師の方々のお話やお人柄に魅了されていきました。いただく前に気持ちを調えること、掃除の心がまえ、そんなお話が伺えるのも、リマならではかと思います。
 
しかしながら、私は一人暮らし。会社員として働きながらは何かと大変で、実生活でいざ実践するとなると試行錯誤の連続です。ある時期、炊き立ての玄米ご飯をいただくために毎朝5時に起きていましたが、連日残業が続く日々。疲れが癒えないまま頑張っていたら、身をやつしてグッタリ。心身に無理をさせては元も子もないと思い、出来そうにない時は休みの日にまとめ炊きして、平日は冷凍したものを蒸し器で温めなおすようにしたら楽になりました。
 
ついでに常備菜のおかずやスープの作り置きも用意。平日に調理する時間をできるだけ短縮していきました。いただくときにサッとひと手間程度のアレンジを加えられたら私には上出来、ひじき煮なら蒸し大豆、夏なら水菜を加えてサラダにしたりしました。前日の状態から少しでも変化をつけて新鮮味を加えるのが、続けていくコツでした。
 
また別の時期には、繁忙期で接待続きに見舞われ、この食事をお休みせざるを得ないタイミングがいくつもありました。この時もここで挫折しては元の木阿弥と思い、外食イベントの波が落ち着いたあとはリセットする日を決めて、食事をシフトし直しました。最も取り入れたのは6号食または7号食です。日数や方法は個人差がありますが私は7号食から初めてお粥やお結びにしてみたり、徐々におかずを増やしていきます。外食が減った現在もこの方法は続けていて、土用の時期に年4回、季節が巡ってくるタイミングでマクロビオティックのシンプルな基本食に立ち戻り、点検するようにしています。
 
 

 

教室で作ったお料理

 
 
「ちょっとずつ」の積み重ね
 
平日お勤めをしていて日ごろの実践が難しいと感じている方、やってみたけど続かなかったという方がいらしたら、是非お伝えしたいことがあります。一足飛びに完璧を目指さなくても、それぞれのペースで、出来ることから少しずつでいいと思うのです。そのちょっとずつを続けていければ、数年でだいぶ変わります。私も、ベストではなくベターを積み重ね、15年かけて牛歩で進んできました。外食の際には、メニュー選びが工夫できるようになり、時にはお店にアレンジをお願いする術も身に付けました。長くかかりましたが、以前あった体の怠さや疲労感は軽くなり、片頭痛など不定愁訴の症状は緩やかに改善していったのです。
 
そして現在、活力を絶やすことなく心地よく日々を送ることができるのは、食事によって支えられているからだと信じています。
 
マクロビオティックの応用の仕方は自在です。だからこそ、それぞれの人生に最適なやり方が必ず見つかります。リマの先生方や事務局のスタッフの皆さん、クラスの同僚に随分お世話になりました。判断に迷ったとき、私は日本CI協会の理念を見返しています。食品の品質・選択の仕方・摂取基準が明解に書かれているのでとても助かります。もう一度初心を思い出し、気づかぬうちに自己流になっていた食習慣に気づくこともあります。
 
これまで得てきた様々な発見と喜び、人との出会い、私の前に広がった世界はかけがえのないものとなっています。かつての私のように手探りで挑戦されている方のサポートや後押しができるように、お教室の場づくり
に役立ちたいと思っています。そして私自身、自らのペースでこれからもモアベターを目指していきます!

 


故・愛子先生との想い出は宝物

 

横山 美佳/よこやま みか
 
東京都羽田出身。マスコミに勤務するかたわら、クッキングスクール リママスターコース修了後、見習いスタッフとして長年教室のサポートを行っている。イベントでのフード事業の手伝い、アパレル会社従業員向けの食事の提供、スコットランドの共同体で賄いを担当するなど研鑽活動中。趣味はデパ地下の惣菜屋さんめぐり。
 

月刊マクロビオティック 2021年3月号(1002号)より
 
マクロビオティックとその料理法に関するホットな情報、健康と美を創り、生命をはぐくむための食と、その知識のご紹介、などなど・・・。あなたの人生を豊かにする情報が毎号満載です。日本CI協会で行っている料理教室や講座などのお知らせもご案内しています。
 
(本体価格600円+税) 発行元:日本CI協会

 

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