「My Macrobiotic Life」人生を見つめ直すきっかけに


 
 

クッキングスクール リマ 認定インストラクター

右京 愛

 
 

食べることが大好きだった
 
マクロビオティックを知る前の私の食生活は、とても酷いものでした。家族全員食が太く、その中でも私が特によく食べました。最も食欲旺盛だった時期は大人一人分の夕食を平らげてからケーキ17個、パンケーキ7枚を間食しても満腹になりませんでした。異常です ね。常にお腹が空いていて、空腹時には注意散漫になり今やるべきことに集中できませんでした。
 
思春期を過ぎた頃からニキビが酷くなり、常に顎全体に赤く腫れたニキビがありました。ニキビに効くといわれるほとんどの薬品を試し、皮膚科にも通いましたが、あまり効果は感じられませんでした。色々なものを試して効果がなかったことから徐々に食事を見直すようになり、そこから健康や美容に興味を持ち「自称・美容オタク」になりました。関連するテレビ番組に目を光らせて欠かさずチェックしてくうちにメディアの奴隷となっていき、テレビで美容や健康にいいと聞くと必死になってそれらを手に入れようとしていました。少しお値段が高くても無理をして購入することも…。
 
 
家族を襲った病
 
そんなある日、大好きな父が救急車で運ばれ、祖父や祖母、母までもが大きな病に倒れました。青天の霹靂でした。皆大食いで元気だったので私の家族は大きな病とは縁がないと思っていました。どうすれば家族を救えるのか、藁にも縋る思いで情報を収集して家族を救う方法を血眼になって探しました。健康や美容に関する本を出版している方の本を何冊か読んでいた時、何度か「マクロビオティック」という言葉に出会いました。初めはヴィーガンやベジタリアンの一種だと思っていて、あまり気に留めていませんでしたが、著者の旦那さんがマクロビオティックで痩せて体調が良くなったと聞いて少しずつ興味を持つようになりました。世界的に有名なマドンナも実践しているのだから、海外の権威ある学者などが考案されたものだろうとも思っていました。
 
それまでも自己流で料理はしていましたが、もっと上手になりたいという気持ちから「どうせ通うならきちんとした所に通いたい」と思い、マクロビオティック発祥校のリマに体験教室を経て入校することを決意しました。
 
リマは他の料理教室とは全く異なりました。ベジタリアンの料理を教えてくれるのだと思って入校したのですが、最初の授業で「陰」や「陽」と言われてとても驚きました。今まで食べ物をそんな風に捉えたことがなかったのですぐには理解できませんでしたが、以前、哲学や漢文にハマっていた時期にそれらの本をたくさん読んでいたので、陰陽についても理解しようという姿勢でした。もし私にそのような基盤がなかったら受け入れることが難しかったかもしれません。

 
 
体調の変化
 
少しずつ食生活が変化したお陰か、ニキビはなくなり空腹も気にならなくなりました。何かに集中すると、ご飯の時間が遅れても全く気付かないくらいです。それと同時に少々のことで怒らなくなったと感じ始めました。以前は少々のことでイライラしたり腹を立てたりしていましたが、私のように完全にマクロビオティックを実践していない人間でも、これだけ心身に変化が現れました。
 
マクロビオティックは玄米菜食だけではなく、哲学的思考が伴っていると感じています。私がマクロビオティックを学んで最も心に響いたのが「ラジオ体操する時間があるなら掃除をしなさい」という言葉です。正にその通りだと思いました。家が汚いのに高いお金を払ってジムに通うのは時間とお金の無駄だと思います。その言葉を意識して物事を見直していくと自分の身の周りにある無駄な物を発見することができます。そしてそれらを捨てると自ずとシンプルになっていきました。
 
 
自分にウソをつかない
 
昨年ヨガの資格を取得しました。ヨガとマクロビオティックは似ていると思います。両方とも哲学的です。その中でも「ウソをつかない」ことが共通している点だと思います。ウソをつかず生きるのはとても難しい。特に自分に対して正直に生きるのはかなり難しいと思います。どうしても第三者の評価・批判が気になってしまって自分らしさを偽りがちです。だからこそ私は、自分の気持ちに正直に生きることを大切にしています。

 

 

祖父の描いた絵

 

 

祖父母との別れ
 
母方の祖父母とは長く同居していました。彼らはたくさん本を読んでいて自然と触れ合う機会も多かったので、自ずとマクロビオティック的感性が備わっていたのかもしれません。
 
祖父は絵描きで「筆が握れなくなるまで絵を描く」と言い、彼はその言葉の通り最後まで画家でした。祖母も一日中編みものをして時々私にセーターをプレゼントしてくれたものです。自分に正直だったから最後まで続けられたのです。マクロビオティックの料理を充分にふるまうことはできませんでした。もっと早く知っていたら病による苦しみを軽減できたかもしれません。
 
私たちは自分が苦しい時よりも大切な人が苦しい時の方がとても苦しく感じます。避けられない別れとはいえ、こんなにも悲しい別れがあることを初めて知りました。マクロビオティックはただの玄米菜食ではなく、人生のもっと根本的なものを見つめ直すきっかけを私に与えてくれたのかもしれません。
 
私が自分の決めた道を突き進んでいる姿を見て、生前の祖父は誇りに思うと言ってくれました。これからもそう言ってもらえるよう努力をしていきたいです。

 


祖母が編んでくれたセーター

 

右京 愛/うきょう めぐみ
 
クッキングスクール リマ認定インストラクター。全米ヨガアライアンスRYT200H・デコリスト・スイーツデコリスト・Wilton cake designなど多くの資格を持つ。趣味はマクロビオティックレストランの探索。
 

月刊マクロビオティック 2021年4月号(1003号)より
 
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(本体価格600円+税) 発行元:日本CI協会

 

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