Macrobiotic
いんようちょうわ
陰陽調和
「陰陽」という言葉を聞いたことありますか?マクロビオティックを実践するとき、まず、この「陰陽」が基準になります。「陰陽」というと、陰陽師や陰陽道などおどろおどろしい世界をイメージし、「何だか怪しそう…」と不安になる方もいらしゃるかもしれませんが、実は陰陽とは「物事には両面あります」ということなのです。プラスとマイナス、昼と夜、光と影、男性と女性など、私たちのまわりにはすべて2つの相反する関係があります。それぞれ、どちらがいいとはいえず、一方があるからもう一方がある、両方ないと成り立たない、互いに必要とする関係です。そしてお互いに補い合い、引き合い、絶えず変化しながらバランスをとっています。その相反するふたつを「陰・陽」と分類しているのです。
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陰と陽の性質
では、すべてに当てはめられる陰と陽とは一体どんなものを指すのでしょう。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、「陽(性)」とは、収縮していく求心的なエネルギー(またはそうした状態)、「陰(性)」とは、拡散していく遠心的なエネルギー(またはそうした状態)を指します。例えば、体を丸めて小さくすると熱が内側に集まり、体が暖まってきます。反対に身体を広げると熱が外に逃げて涼しくなりますね。なんとなくイメージできるでしょうか。簡単に言えば、食べ物で言うと体をあたためるものは陽性、冷やすものは陰性ということになります。また、体を締めるものは陽性、緩めるものは陰になります。
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陰陽のバランス
プラスとマイナス、昼と夜、光と影、男性と女性など、私たちのまわりにはすべて2つの相反する関係があります。それぞれ、どちらがいいとはいえず、一方があるからもう一方がある、両方ないと成り立たない、互いに必要とする関係です。そしてお互いに補い合い、引き合い、絶えず変化しながらバランスをとっています。その相反するふたつを「陰・陽」と分類しているのです。
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陰陽のバランス(調和)がすべての基本
暑い夏が来れば寒い冬が来る。昼があれば夜がある。そんな流れの中で私たちは暮らしています。私たちが生きているということ自体、陰陽の調和をとっているということなのです。そして、体調不良や病気は、そのバランスが崩れ、陰陽が大きく偏っているという警告といえましょう。ですからマクロビオティックでは、健康を維持するためには「陰陽のバランス」が大切と考えるのです。陰にも陽にも偏らない中間は「中庸(ちゅうよう)」といいます。そして、陰性・陽性の偏らず、なるべく中庸に近い状態でいることがマクロビオティックでは望ましいと考えます。生きている以上絶えず変化していますから、寒ければ体は冷え、体を温める陽の食べ物がほしくなります。寒いのにかき氷を食べたいとは思いませんね。また、脂っぽい料理にはさっぱりとしたものを欲しくなります。これは無意識に陰陽のバランスをとろうとしているからです。といっても強い陽性の食べ物に、強い陰性の食べ物を組み合わせればバランスがとれるかというと、それは難しく、極端から極端に振れるようなことが続けば健康を損ねかねません。日ごろから中庸に近い食べ物を選んで食べていれば、体も心も自然にバランスがとれて強くなり、たまに大きく陰や陽に傾いた食事をしても、すぐに回復できるでしょう。「陰陽バランス」がとれているとは、一定限度の「揺れ」がある状態。極端になったり、一つの状況に固定されたりせず、しなやかに動いている状態なのです。そのような状態なら、一時的に大きく揺れても回復しやすく、どんな事態になってもすぐ対応できるはずです。
食べ物の陰陽
ー中庸に近い食べ物で健康維持ー
陰陽のバランスのよい食生活で健康を手に入れるためには、中庸に近い食べ物を中心にし、陽性の強い食べ物や陰性の強い食べ物は控えるのが基本です。まずは、どんな食べ物がより陽性で、どんな食べ物がより陰性なのかを知ることからスタートしましょう。
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01.陰陽の原則
陰 陽 より遠心性・拡散性・
上昇性をもつものより求心性・収縮性・
下降性をもつものより静的なもの より動的なもの より冷たいもの より熱いもの -
02.食べ物における陰陽の判断目安
陰 陽 植物性 動物性 暑い地域・暑い季節に良く育つ 寒い地域・寒い季節に良く育つ 上に向かって育つ 下に向かって育つ 成長が早い 成長が遅い 大きい 小さい 水分が多い 水分が少ない 甘い・辛い・酸っぱい ※穀類の甘み(よく噛んだときのでんぷんの甘み)は中庸 苦い・塩辛い 調理時間・熟成期間が短い 調理時間・熟成期間が長い