マクロビオティック クッキングスクールリマ

2023年9月期 修了記念寄稿

アドバンスⅡ 修了 黒岩 あゆみ

マクロビオティックとの出会い

クッキングスクールリマに通って変わったことは、自分の人生に責任を持って丁寧に生きようと心から思うようになったこと。身体に取り入れる食材、不調な時の身体の整え方、一つひとつに対する心の持ち方は自分の選択次第で全て変えられるから。

私は大学がオンライン授業のコロナ禍に「自分に向き合う」時間のために、複数のご縁の重なりでマクロビオティックに出会った。これまでクッキングスクールリマに通い続けられたことに感謝が大きい。

リマで過ごすお料理の時間は私にとって一種の「動く瞑想」だ。なぜなら、自分の五感を目一杯までフル活用させるから。基本の分量が書かれたレシピはありながら、最終的な塩、甘さ加減の調整は生徒間で味を確かめ合ったことが思い出のひとつ。

特に、ある回で先生がおっしゃっていた、「必要としている人のところへ必要な食材、味付けが届く」という言葉が印象的だった。それ以降、いつもにも増して目で見て、触って、香りを嗅いで、聴いて、味を確かめて…自分の感覚を大切にしようと思えた。同時に、自分の周りの様子はどうかなと目を向けるようになった。自分の心を満たすことで周りも満たすことに繋がることと共通するのではないかなと感じている。

さらにレッスンで習った、人参と少量のお水と小さな火で温め、少しずつ少しずつ焼き芋のような甘さを引き出していく「人参の蒸し煮」。地面から出てきた固い人参が柔らかく、驚くほど甘くなることに化学と、大地の恵みの融合の面白さを感じた。

他にも、鉄のフライパンで揺らしながら、パチパチッと音がした絶妙なタイミングで火から下ろして作る「ごま塩」。よくよく耳を澄ませてゴマの音を聴くことで、ご飯が進む香り高いごま塩になったことに感動だった。身体が喜ぶ食べ方は一生涯大切に実践したい。

⚫︎料理だけに留まらないクッキングスクールリマへの感謝も複数ある。

①多彩な仲間との出会い

ベーシックⅠから出会った受講生との出会いはかけがえのないものになった。保育士さん、ヨガやピラティスインストラクター、看護師さん、イラストレーターさん、料理人さん、関東以外から来る方、海外から来る方…比較的小さなクラスにも関わらずとてもグローバルな話をするのが毎回面白い。ここは世界の縮図なのかな?と思うほど面白いのでぜひ一度見にきてね、と声を大にして言いたい。

それぞれが置かれている背景は違っても、共通するのは「食べているもので身体が変わること」と、「自分のバイタリティ」を信じていることだ。通じる思いを胸に持って、あの場所に集っている気がすると考えると、何より、心地よい。

②柔軟さと続けやすさ

単発、コース受講どちらも選ぶことができ、平日、土日も開講していることも魅力の一つ。都合が合わない日も多い私だったが、事務局の方々が温かく、柔軟に振替に対応してくださり、最後まで継続できた。ライフステージに合わせていつからでも再開できることがありがたかった。

③心と身体両方からのアプローチ

調理をする回もありつつ、心の状態も見ながら台所に立つのがリマならではだと思う。

どのような環境で育ち、どこで採れたかと同じくらい、「食べてもらう家族のことを想いながら料理をすること」「いただく食材が育った背景に胸を寄せ、心を込めていただくこと」、全てに「感謝」が根底にあると私は感じている。

最近、母親がマクロビオティックの料理教室を始めたが、食に向き合う楽しさを感じている。味噌の作り方、出汁の取り方など、来てくれた人が初めて知った顔を見るとこちらも嬉しくなる。クッキングスクールリマで培った経験から、長期的な視点でできることを考えたい。

私は生死をさまようような経験はなく、他の生徒さんに比べると熱心さという意味では身体に優しい食事を実践できているのかと疑問に思うことはある。それでも、私は私らしく、偏った時は梅干しを食べて整える、喉に違和感があったらレンコンでお手当てをするなど自分なりのバランスを意識している。私だからこそ見える視点があると思うので、これからも自分の感覚に耳を澄ませて大切に生活していきたいと思う。


<修了記念レシピ>

野菜とオートミールのスープ、さつまいものくるみ味噌和え

野菜とオートミールのスープ:雑穀がもっと身近な存在になってほしいと思ったから。オートミールはとろみがつくのでシチューらしくなり、冬に食べるスープとして食べていただけたらと思ったから。陰性な豆乳を使う中で、野菜を炒めて陽性に近づけ、バランスをとるように工夫。

さつまいものくるみ味噌和え:ホクホクのさつまいもの甘さと、味噌の塩気、サクサクしたくるみ組み合わせを楽しんでほしいから。味噌を、味噌汁だけではなく、おかずとして楽しめる機会を増やしたいと思うから。


黒岩 あゆみ

西日本生まれ。転勤族の家庭で全国を巡る。コロナ禍の大学在学中クッキングスクールリマに通い始める。

現在は、世田谷の区役所に勤める新米社会人。土日は子ども食堂のボランティア、ヨガ、生け花などに参加して自分を整える時間が好き。好きなことは日記を書くこと。

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