マクロビオティック クッキングスクールリマ

2023年9月期 修了記念寄稿

アドバンスⅡ 修了 和地 みのり

You Are What You Eat

40代半ばを過ぎた頃、突然目がゴロゴロしはじめ、両目に「霰粒腫(水分が蒸発しないように油分を分泌するマイボーム線の出口が詰まってしまう)ができ視界を邪魔するくらい大きくなり始めました。見た目もさることながら、眼科に行っても「できたら切る」という対処法しか示されないことに危機感を感じた私は、毎日膨大な時間をネット検索に費やし情報を収集する一方、地元だけでなく東京の眼科にも何件も電話で問い合わせするなど居ても立っても居られない状態でした。気分の落ち込みも大きく、それまで以上に食べることに逃げてしまい、それがまた「霰粒腫」を量産していることに全く気付きませんでした。 

そんな時本屋で何気なく手にとったのが、マクロビオティック望診法に関する本でした。 直観で「これだ!」と確信しました。若い頃からの悩みだった黄色がかかった顔色やシミ、冷えや極端な下半身太りなど、私が長年探し求めていた答えがすべて見つかったようで嬉しさと興奮で手が震えたのを覚えています。すぐに著者の先生にアポイントメントを取ったのが、私のマクロビオティックとの出会いでした。 すると、すぐに便通や冷え、慢性的な疲労感が改善され、体重も自然と減り始めました。一番の悩みだった「霰粒腫」も新しいものができなくなったばかりか、すでにあったものも萎んできたのです。今では膨らみが全く分からないくらいきれいに消滅しています。重かった下半身もかなり軽くなり、シミも少しずつ薄くなってきています。 

振り返ってみると、私はこれらの不快な症状をいつも自分以外の何かのせいにしていたように思います。遺伝や体質だから、海外で生活していた時には日本食が手に入らないから、最新の情報に振り回されて次々と試した食材やサプリメントに効果がないから、など自分の体と真正面から向き合うことをせずに「仕方ない」で片づけてしまっていました。 

「You Are What You Eat」―私は自分の悩みを自ら作り出していたのです。食べ方を変えることは誰にでもできます。マクロビオティックは私の「軸」となり、自分が変わることで状況はいかようにも変えられるということを教えてくれました。  

「湯とう」や「粉洗い」など食べ物や物を無駄にせず大事に感謝して扱う姿勢、そこから生まれる心の豊かさや自然に対する畏敬の念、自分の心の状態が調理や味に反映すること、料理に真摯に向き合い、同じ心構えを持ったもの同士がひとつの目標に向かって作業をすると調和のとれた心地よい空間が作れること、クラスで試食したものが帰宅してからも体に及ぼすプラスの影響など、マクロビオティッククッキングスクールリマは、私にとって心身の浄化ができる場所です。 

「マクロビオティック」は単なる食事法にとどまらず、生活法から宇宙の秩序まであらゆる事象を網羅した世界観です。今まで見聞きしたり、本で読んだりして断片的に得た情報が、「マクロビオティック」を通して整理・体系化されていくことで、モヤモヤが晴れ頭の中がクリアになっていく感覚があります。マクロビオティックに初めて出会った頃の高揚感、ワクワク感は5年経った今も続いています。まだまだ旅の途中ですが、物事の判断基準「軸」が自分の中でしっかりと定まったことで、迷いがなくなり心がとても楽で自由になりました。 

マクロビオティック望診法を通して食べ物と体の関係性とその仕組みのおもしろさに目覚め、甘味料を使わず本当においしく調理できるのか半信半疑な気持ちと、料理に対する苦手意識を克服するために通い始めたマクロビオティッククッキングスクール リマでしたが、マスターコースを修了した今は、自分の体験をより多くの方に伝えたいという新たな目標ができました。「マクロビオティック」を通して、私が今感じている「自分で状況は変えられる」という安心感と内から湧き上がるエネルギー、そしてワクワク感をお伝えできるようになりたいです。そして常に大きな視点を見失うことなく、自分にとっての「幸福」とは何かを大切にしながらマクロビオティックを追求していきたいと思っています。 

桜沢先生の著書「食養人生読本」から― 

「われわれは健康だの生命だのを分解して、その成立の原因をことごとく知りつくす必要はありません。また、できないことです。それよりも健康や生命の不可思議さを楽しく享受して、かつ喜び、かつ歌って幸福な人生を送りましょう。」 

最後に、長年培ってきた経験や情報を惜しげもなく共有し熱心に教えてくださる本校の先生方、いつも親身に相談にのってくださる事務局の方々、仕事で平日しか休みが取れない私に合わせて、大変お忙しい中スケジュールをやりくりしてクラスを開講してくださった日立校の助川ひろこ先生に心より感謝申し上げます。 


<修了記念レシピ>

玄米クリーム 

校長先生が「手で絞った玄米クリーム」と「裏ごし器で濾した玄米クリーム」の2つを食べ比べさせてくださった時、その歴然とした違いに衝撃を受けました。よく「調理している人の気持ちが食材に入る」と言いますが、その意味を頭ではなく、舌と体に入った時の感覚、そして食べた後の心の変化で理解した瞬間でした。

病中・病後の回復食や離乳食にもよいという玄米クリーム。誰かを想って調理にかけた時間や手間は、確実に出来上がりの味に影響するのですね。またその想いが料理を通して、食べる人に確かに伝わるということを玄米クリームの試食で体感しました。

それ以来、調理している時の自分の気持ちに向き合うようにしています。


和地 みのり

茨城県水戸市在住・美容室勤務。国際薬膳師。 

自分の経験を活かして、「美」を「食と健康」「ココロ」の面から 

サポートするため勉強中。 

犬好き。 

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