マクロビオティック クッキングスクールリマ

2023年5月期 修了記念寄稿

アドバンスⅡ 修了 土田 美和

マクロビオティックとわたし

 私とマクロビオティックとの出会いは、もう 10 年以上も前のこと。当時の住まいの近くに自然食品店(名古屋市:自然食 BIO)があり、多くの種類の雑穀や乾物のだし類、他にも沢山の商品が並んでおりとても素敵に思えて買ってみたいなと思いました。しかし選び方や調理法もわからずどう買い物してよいのか迷っていたことを覚えています。そのお店では料理教室も行っており、それがクッキングスクールリマ名古屋校だったのです。
マクロビオティックという名は聞いたことがあり、漠然と興味はあったものの流行りののというイメージもあり、習うまでもない、本やレシピを見ればわかるものだと思い、すぐには受講しようという気持ちにはなりませんでした。
ところが、家庭を持ちしばらく経った2020年初め頃からコロナ禍に突入、突然在宅勤務となり常に夫と小さい子供2人が肩を寄せ合って過ごす生活となりました。仕事の傍らで子育てをし、もちろん家族分の食事も毎食用意せねばならず、当初は慣れない生活に大変苦慮しました。そして感染対策をしながらスーパーへ行き、とりあえずの食品を奪い合うように次々に買い物かごへ入れました。簡単に調理できるもの、日持ちのするもの、子供が喜ぶスナック菓子、明日は買えなくなるのではという不安の中で食品の原料も安全性も関係なく必死で手に取りました。それは私だけではなく他のお客さんも同様で、この異常な雰囲気の中で買い物をした光景を今でも忘れません。
当然作る料理もその場しのぎの適当なものばかりになり、徐々に食生活の質が悪くなっていきました。空腹を満たすどころか心は荒み、家族のイライラが増していくのを感じました。
その時、学生時代から食物栄養を学び、食品会社に勤務していた私が、これまで一貫して大切にしてきた食生活を蔑ろにしているという現実に落胆したのです。今一度、食材の選び方や調理の方法を見直す必要があると強く思いました。受講するまでに長い時間が掛かりましたが、このような経験を通して2021年春よりマクロビオティックを学ぶことになりました。
教室で受講を始めると百聞は一見に如かずの言葉の通りで、五感を使って体感しながら調理をする方法はとても新鮮でした。そして、調理の工程の一つ一つで先生方が指導して下さる声が今でも耳に残っています。ゆっくりと時間を掛けて料理を作ることは食材のおいしさを引き出し、それを作る人の心も和ませてくれるものだと感じました。教室で作るもの
はとても美味しく優しい味わいで、決まってその帰り道は体がぽかぽかと温かいのです。この気持ちを家庭に持ち帰り、しっかりと実践することが私の大切な役目だと思っています。
そしてマクロビオティックの考えの原則である身土不二・一物全体など、新たな学びと同時に昔の暮らしがどれだけ理に適っていたか、現代の食生活がいかにかけ離れているかを感じさせられました。また、料理をする上での心構えなど心を正して料理に向き合うことを学んでいます。現代では時短料理や見た目の華やかさばかりが求められますが決してそうではなく、里麻先生の言葉は今にも通じる大切なことを教えてくださっているように思います。丁寧に料理をつくることは私の心のバランスを保たせ、気持ちを豊かにしてくれていることに気づきました。
まだまだ道半ばですが、今後も引き続きマクロビオティックの学びと実践を続け、いつか教室などで伝えられる人になれたらと思っています。最後になりますが、熱心にご指導くださった名古屋校・藤が丘校および本校の先生方、ともに学んだ生徒の皆さまとの温かいご縁に感謝しています。ありがとうございました。


<修了記念レシピ>

朴葉寿司 

ベーシックⅡで学んだちらし寿司を参考に、私の郷里、岐阜県の郷土料理である朴葉寿司にアレン
ジしました。
マクロビオティックを学んでいるとどこか懐かしく、田舎で育った私の両親の暮らしの風景と重な
る部分がたくさんありました。身近な食材で作ったちらし寿司を山で採れる朴の葉でくるみ、おひ
つに重ねておくと葉の香りが酢飯に移り風味がよくなります。
母の作るものは、きゃらぶきやちりめんじゃこを入れていますが、今回は乾燥の大豆たんぱくを醤
油と生姜でそぼろ状に煮含め、トッピングにしました。


土田 美和

岐阜県出身・名古屋暮らしを経て現在は東京都にて夫と子供 2 人と暮らす
初級・中級(ベーシックⅠ・Ⅱ)は名古屋校、アドバンスは藤が丘校にて修了
本校にてマスター修了後、現在インストラクタークラス受講中

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